「女ざかり」と最高裁判事

 『女ざかり』刊行後、衆院選があり、同時にある最高裁判所判事を
選ぶ○×式の選挙(?)用に、候補者たちの経歴や趣味を紹介する
新聞紙面の最近読んだ本を挙げる項目に、『女ざかり』を挙げている
人物がいたが、私はもちろん×をつけた。
 金井美恵子・新・目白雑録 P202 落穂ひろい7
 「こんなに沢山の自販機は全く不要である」と「ヘップサンダル」
  2016年5月

・しばらく前の新聞朝刊の読書欄に、裁判官出身の女性人事院総裁
読書暦についてインタヴューした記事があって、子供の頃鶴見俊輔
作文を添削してもらった経験があリ、その影響が今でも残っている、
というのにも驚いたが、それ以上に驚いたのはこの女性があげている
何冊の本が(人前で講話をする必要があるからという理由を一つに挙げて)
とても人前で常日頃こういう本を読んできましたという普通はあげない
レベルの本であったことで、この女性人事院総裁に限らず、財界人とか
で功なり名なりあげた人々が愛読書としてあげる本がすさまじいことに
なっている気がしてならない。鶴見俊輔が「がきデカ」や「寄生獣」を
愛読書に挙げるのとは意味が違って、司馬遼太郎で近代日本史を勉強して
みたり、新入社員が読んでいる(本人も若い時読んでいた?)ような自己
啓発本を並べてみたりして、ご当人の仕事ぶりとその会社や組織の内情が
そのままにじみ出しているのであった。