加藤周一という生き方

http://book.asahi.com/booknews/update/2012112800005.html
「加藤は3回結婚したと著作で明かしていて、矢島は加藤の3人目の妻だ。
・・・そのために加藤の私的な経歴にも触れており、最初に結婚した日付
(1946年5月30日)など、知られざる事実が次々に現れる本だ。


だが、私的な事実よりも読者を驚かせるのは、41年12月8日付の日記だろう。
『羊の歌』(68年刊)で強い印象を残す文楽の観劇が、日記に見あたらない。
その後の日記にもない
はたして加藤は開戦日の夜に文楽を見たのか。創作だったのか。鷲巣氏が加藤の
実妹に話を聞いたところ、「夕方には出かけた」のだという。また、47年の
新聞にも文楽観劇の話を書いていることから、鷲巣氏は開戦後の数日内には
見たのだろうと推測している。