2013-01-01から1年間の記事一覧

日本語的英語の価値

賭博人生をおくる在外知識人である森巣博の英語を次のように評した した人がいる。ある時、妻を尋ねてきた岩波書店の偉い編集者に、「森巣さんの英語は まるで日本語をしゃべっているみたいだね。」と指摘されたことがあった。 褒められた、と私は解釈してい…

吉本隆明全集

日曜日に池袋ジュンク堂の1階の支払カウンターの前にあった晶文社『吉本隆明全集』の見本をもらった。最後のひとつであったようであるが、月曜日に岩波ブックセンターへ寄ったらこちらではまだ在庫があり、いくつか入手した。 さて、吉本全集であるが、全3…

超人高山宏、明治大学を去る

http://www.meiji.ac.jp/koho/press/2013/6t5h7p00000gclgt.html「Theatrum(テアトルム) mundi(ムンディ) —世界は劇場—」 対談1 舞台の底から来るもの—襤褸と官能とスペクタクル Ⅰ 桃山 邑(水族館劇場代表)×郄山 宏(明治大学国際日本学部教授) この桃山…

危険教徒と大丈夫教徒

昨日福島で環境省主催での催し。 早野先生のツイッターによる実況中継から。 .@birdtaka さんの「「放射線の健康影響に関する専門家意見交換会」」 をお気に入りにしました。 http://togetter.com/li/572859 二本松市アドバイザー 高辻 俊宏氏:市川先生の話…

日銀総裁とKポパー

先だって黒田日銀総裁がKポパーの論文を若き日に翻訳したことを 書いたところだが、宮崎先生のブログをみると「歴史主義の貧困」の 新訳のあとがきに、黒田氏が書いておられることを知った。 http://d.hatena.ne.jp/jmiyaza/20130919/1379605436 「それから…

高い法人税率は本社移転を誘うか

安倍晋三君が、4月から消費税を8%にするといい、企業減税を やると今日いったらしい。 http://zurich-life.sblo.jp/article/72406462.html ヤフーとか、マクドナルドの欧州本社がスイスへ逃げ出したらしい。http://jtc.air-nifty.com/blog/2010/05/post-8b…

日銀総裁が分析哲学を語る時

http://jalpinfo.blogspot.jp/2013/08/blog-post.html碧海純一先生追悼シンポジウムの御案内 戦後日本の法哲学の発展に貢献された碧海純一氏(東京大学名誉教授)が 本年7月18日に逝去されました(享年89歳)。同氏を追悼すべく、 その業績を回顧し再考する…

滝川クリステルのフランス語

IOC2020年オリンピック大会招致の日本の最終プレゼンを絶賛している人は多い。 また、滝川クリステルによるフランス語スピーチを褒め称える人も多い。 http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130909-00019147-toyo-bus_all&p=1 「中でも私が大好きだっ…

大岡昇平の平川祐弘批判

大岡昇平全集21巻 507P 初出:「文芸」一頁時評 1973年5月号 「引用さまざま」 「近頃論争がないといわれる。…その中野老が、本誌先月号で、 息子ぐらい年が違う平川祐弘にかみついた。」 「『和魂洋才の系譜』は好評の鴎外論である。…中野の論文を 読むと…

丸山眞男の文章

海老坂武による丸山真男「日本の思想」の悪文についての指摘。 『戦後文学は生きている」講談社新書戦後文学は生きている (講談社現代新書)作者: 海老坂武出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/09/14メディア: 新書この商品を含むブログ (3件) を見る丸山につ…

網野善彦批判の系譜

http://www.hi.u-tokyo.ac.jp/personal/kazuto/shohyou/fujiwara.html 東大の本郷和人氏による網野批判。小谷野敦「日本売春史」における 網野批判から、網野が構想していた中世像自体へのアプローチ方法に ついて疑問を投げかける。 確かに近代から見た中世…

Inside Job

サブプライム問題から崩壊した経済の原因をたどるインタヴューを 多用したドキュメンタリー。あらためて当時の流れをたどると金融 機関と経済学者、役人のデタラメ振りと彼らの処世術にあきれ返る。 ブッシュからオバマに変わっても顔ぶれが変わらず、金融機…

No

http://www.nytimes.com/2013/02/10/movies/oscar-nominated-no-stirring-debate-in-chile.html?hpw&_r=0 ピノチェ独裁下のチリの政治状況を舞台とした映画「No」 オスカーの外国語映画賞にノミネートされて問題となっている。 監督の両親が右派であり、事実…

世界の起源

http://www.lemonde.fr/culture/article/2013/02/08/le-poids-des-mots-le-choc-du-faux_1829215_3246.html オルセー美術館にあるクールベ「世界の起源」のモデルの 顔を発見したというパリマッチの記事。六本木の美術館の展示品で児童ポルノ 論議が盛んなよ…

みすず1月号読書アンケート

久しぶりに会社帰りに駅前の松屋で夕食。 さいころステーキ定職というのが新メニューで あったので、それを頼んだが、ステーキどころか、 肉の、しかも細切れのパサパサの肉であった。ご飯の 米もほっかほか亭などとはことなってうまいとは いい難い。 前の…

自民党の防衛観

えているので、安倍総理も石破幹事長も改正すべきではないかといっています」 みの「今の自衛隊法のどういうところが足りないのですか」 小池「たくさんありますが、例えばゴラン高原で活動していた自衛隊はシリア情勢が 厳しいからと引き上げてきたわけです…

ソドム120日の原稿

http://www.nytimes.com/2013/01/22/books/frances-national-library-hopes-to-buy-sades-120-days.html?hpw&_r=0 マルキ・ド・サド「ソドム120日」の原稿が 現存し、フランス国立図書館が5億円で購入すると いう報道。現物の写真が出ているが、こんな巻紙に…

浜田宏一先生のスピーチ

浜田宏一先生の外国特派員協会でのスピーチだが、導入部分 で英語だが、途中で日本語に変わり、後半は英語主体。 確か、ご著書にも英語には苦労したという風に 書いてあったと思うが、エール大学の学生もつらかったかも しれない。宇沢先生も植田和男先生も…

お薬手帳

http://tukutteha-mitamonono.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/post-a12d.html 近くの医院で診てもらった後で薬剤薬局へいったら、 昨年の4月からお薬手帳というのが無料になった、といって 一冊渡された。こんなのが法律が変わってもらえるように なったの…

森有正と加藤周一

http://d.hatena.ne.jp/vzf12576/20121228 「「季刊湯川」が出て、中に森有正論があり、 森有正の『経験』の哲学を加藤先生が批判しています。」 ここで触れられている加藤周一の森有正論を知らない。 「羊の歌」で登場する森有正の評価と、その後の森の 変…

アルジェリアの誘拐

http://www.magichour.co.jp/syosai/0000045.html カンヌ映画祭特別賞とセザール賞受賞の映画 「神々と男たち」は1990年代のアルジェリアで、修道士たちは 現地人の医療行為に励んでいたのだが、誘拐され、結局は 殺された。この映画では誘拐犯がなぜ修道士…

大島渚死去80歳

大島渚が午後死んだ。 彼の映画の大半は新宿にあった蠍座でみた。 田舎から出てきたばかりの大学生には、日本にもこんな映画作家が いたのかと驚きだった。 蠍座であまり一般公開されない「日本の夜と霧」が上映された時は 新左翼的な観客が多かったのか、異…

加藤周一の養女

http://de.wikipedia.org/wiki/Sonja_Kato-Mailath-Pokorny この1972年1月ウィーン生まれの女性は以下のソーニャ・カトー氏 だろうか。鷲巣氏もここまで書いたのであれば、現在のカトー氏の 情報を、今後誰かによって書かれるべき加藤周一伝への手助けとして…

本に会いたい

http://www.bs-j.co.jp/honniaitai/ こんなBSの番組があるとはしらなかった。過去の 番組をみると一部を除いてほとんど本とは縁遠そうな ゲストばかりで、その意味では壮観である。出演者を みて見るのをためらったことがあるのかもしれないが、 あまり記…

リフレ論と改憲論のアマルガム

http://jp.reuters.com/article/vcJPboj/idJPTYE8B505020121206 テレ朝報道ステーションで、元財務官僚の本田悦郎静岡県立大学が リフレ論を開陳している。マインドが変われば、企業も内部留保から 投資を始めるというような楽観的な経済観の持主のようであ…

現代フランス思想研究者と原発

「私は一応フランスをフィールドにしていますが、 今回の事態を受けて、世界で最も原発依存率の高い国とい うこの国の側面が、あらためて非常に良く見えるように なりました。私はチェルノブイリの事故の時期に留学して いましたのである程度現実は把握して…

フリードリッヒ・グルダ

http://blog.goo.ne.jp/piano_music/c/bd3bfbbc34cf492bb156348587091102/1 グルダが死んだ時も突然で、なんだか拍子抜けがした。これほど才能ある人が 訳のわからない作曲や向いているとは思えないジャズをやってみたりした上に あまり録音も出さないで死ん…

「名曲の楽しみ」失われた音源

「名曲のたのしみ」は2012年12月を以て放送を終了しました。長らくのご愛顧、ありがとうございました。番組では、引き続き過去の放送録音を探しています。 下記に該当する録音テープをお持ちの方はご一報下さい。70年代全般、84/1/29、8/26、85/12/29、1986…