2016-01-01から1年間の記事一覧

「女ざかり」と最高裁判事

『女ざかり』刊行後、衆院選があり、同時にある最高裁判所判事を 選ぶ○×式の選挙(?)用に、候補者たちの経歴や趣味を紹介する 新聞紙面の最近読んだ本を挙げる項目に、『女ざかり』を挙げている 人物がいたが、私はもちろん×をつけた。 金井美恵子・新・目…

フランス思想の「難解さ」

http://www.openculture.com/2013/07/jean_searle_on_foucault_and_the_obscurantism_in_french_philosophy.html 「ジョン・サールによるフーコーの思い出」 わたしはフーコーの講義と会話の明晰さと書くものの晦渋さのコントラストを 不思議に思っていまし…

鴎外の遺言の読み方

http://gunnkei.sakura.ne.jp/99_blank139.html 平川祐弘の旧著「和魂洋才の系譜」が河出書房から豪華装丁で出たらしいので中を 覗いてみたら、中野重治との論争についての東大の学生の意見を引いた反論や 竹内好の言いがかり?への言及が平凡社ライブラリ版…

「奇跡の丘」パゾリーニ

パゾリーニのキリスト伝記映画であるが、DVDがレンタル屋になく、価格も高いので見る機会がなかったが、現在GYAOで無料公開中。小谷野敦先生のお奨めであるので、何とか視聴する機会をまっていたが ようやく望みがかなった。 https://www.amazon.co.jp/gp/cu…

1971年のシャーリー・エブド

1971年に昭和天皇が欧州巡幸を行った時の現地の反応で、フランスについての 様子の報告の中に「シャーリー・へブド」が出てくる。フランスのジャーナリズムが天皇ヒロヒトについて寄せる解説も報道も、ひややかと いえばひややかな客観性を一歩も出ることは…

平井啓之『天皇御歌論争始末記」

平井啓之が1960年に東大新聞に書いた文章が巻き起こした経緯と その後について、「ある戦後」(1983年、筑摩書房)を出版した 時にまとめた文章。天皇の歌会始めの際の歌について、平井が 違和感を感じたことを東大新聞に寄稿し、それについて学生や 文学者…

コレージュ・ド・フランスのマレーネ・ディートリッヒ

フーコーその人その思想 ポール・ヴェーヌ Ⅸサムライの思想 筑摩書房2010 P245 注2ジャン=ピエール・ヴェルナンの講義にマレーネ・ディートリッヒが出席し、最前列に 足を組んで座っていたことがあった。・フーコーが講義を続けていた会場にはスターリンの…

ウイットゲンシュタインと音楽

野家啓一「ウィットゲンシュタインと自殺」KAWADE道の手帳 (初出「大航海」1999年12月号) この時期、ウィットゲンシュタインは教員になるためにクラリネットを習い 始めている。あるいはこの「音楽療法」が彼に自殺の誘惑を断ち切らさせた のかもし…

シュヴァイツアーと丸山真男

「二つの青年層その他ー丸山真男氏を囲んで」 1948年4月「青年文化」1948年3月号(丸山真男話文集続3) シュヴァイツァーという人がいますね。アフリカの土人の中へ はいって行って、一緒に暮らし、彼らの生活の改善に一生を投じて いる人ですが、あの人の…