2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧

カリスマ中井久夫

猫猫先生が中井久夫について、カリスマ化されることの危険性を述べておられます。 そもそも精神科の臨床医学がどこまで「科学」なのか、という問題がありますが、そういう学問であるからこそ人文的素養が診療に役に立っているということではないでしょうか。…

大岡昇平と吉本隆明

吉本隆明「情況への発言Ⅲ」が新書版で出ているが、本屋で立ち読みした。当時も岩波本の埴谷雄高=大岡昇平の対談について、吉本が何でこんなに怒るのか、さっぱり理解できなかったが、対談のご両人もいきなり吉本に怒鳴りつけられて、とまどったに違いない。…

丸山真男と庄司薫

丸山真男書簡集6巻(みすず書房)で庄司薫へ出したものが一つもない。丸山生前に庄司は手紙を出しているはずだし、それに対する返答も丸山よりあるはずだが、どうしたことか書簡集には載っていない。個人的な手紙は公にさらさないという庄司の美意識が感じら…

フーコーとパンゲ

「ヨーロッパ哲学には京都学派に対して抵抗があったのだが、それにもかかわらず、日本という環境は、20世紀精神の素晴らしい舞踏のための舞台だった。例えば、ディビッド・メイシーは、フーコーの伝記において、フーコーのかつての愛人で、私も知り合いの、…

村上陽一郎と原発

時ならぬ村上陽一郎批判がネット上で巻き起こっている。これらは古代ギリシャの学問の西洋中世での影響や氏のカトリック理解であったりして、教わることが多い。猫猫先生と異なり、ダメ学生だった私は村上先生の授業に出たことはなかったが、時々ラジオのク…

カラヤン生誕100年

カラヤンの功罪とは何か。功は音楽を大衆化しクラシック音楽を特権階級から開放したこと。罪は音楽の外面的なショービジネスとしたこと。後者の証明は彼がかかわった映像作品をみればすぐわかる。なぜ、このような醜悪な映像を残したのか。権力欲と金銭欲と…

出版社の存在意義

■かつて大江健三郎は文藝春秋社が田中健吾の下で、反公害運動や市民運動を揶揄する香山健一や山本七平とつるんで「進歩派」を揶揄する論調に染まっていた時に芥川賞選考委員を辞任した。その理由は本人は明らかにしていないが、抗議の意を表したものだといわ…

OED到着

先週末OEDが我が家に到着、円高を利用してOxford English Dictionary 20巻を米国の古書店より購入したもの。家に入りきらずマンションの玄関前に2日間置いておいた。700ドルプラス送料1000円。古書といっても新品とかわらずアマゾン日本では112000円で出て…

中国人民開放軍は何故遅れたか?

阪神淡路大震災の時、自衛隊への救援依頼が遅かったという批判があった。その理由のひとつとして社会党村山政権であったためといううがった見方もあった。そもそも国外からの攻撃より、国内災害のリスクが大なのはわかりきったこと。今でも大地震対策より、…

東大比較文学は保守か?

ウィキ「比較文学」に 「東京大学の比較文学に学んだ者の中から、芳賀徹、平川祐弘、亀井俊介、小堀桂一郎が輩出し、東京大学教授として「四天王」と呼ばれ、同研究室を支えたが、うち亀井はアメリカ文化研究に移行した。芳賀、平川はその博識をもって多様な…

阿部謹也「ヨーロッパを読む」

1995年に著者がこのような講演録を出版しているとは知りませんでした。(石風社)内容は、著者が生涯を通して追求したテーマについて、出版社が主催した10年にわたる連続講演会の内容で、親しみやすい内容で若い人にも阿部さんの入門書としてお勧めしたい内…

林達夫と谷川健一

本日の日本経済新聞「私の履歴書」に平凡社時代の谷川さんの回想に林達夫が出てくる。筆の重い林達夫が「児童百科事典」のために「ルネサンス」の項目を書くところや、谷川氏に苦々しく「君はへんに細かいことを知っているね」というところなど、今はなき姿が…

不思議な外務官僚たち

わが国の外務官僚にはなかなか「人物」がいる。鈴木宗男のお友達の「国士」佐藤優などはかわいいものですね。「大使」は外務省内では部下から「閣下」と呼ばれているらしい。 ●山口洋一元ミャンマー大使 今回のビルマ国民投票とサイクロン被害での軍政の対応…

ミャンマー新憲法国民投票

TBSの夕方の田丸美鈴TVニュースで、藤原帰一教授が、ミャンマー情勢についてコメント。今回の新憲法では国民議会に軍の議席を25%を割り当てるものだそうだ。なぜ日本の新聞はこの新憲法の内容についてしっかり報道しないのだ。kこの滅茶苦茶な憲法の出鱈目…

松浦弥太郎

松浦弥太郎「くちぶえサンドイッチ」集英社文庫発刊を機に、ブログ上に記載が増えいている。松浦さんの本領はアメリカの本屋の匂いを書けることで、この本でもサンフランシスコの古本屋の記述が一番光っている。昔雑誌「文芸」に連載していたアメリカの古本…

バラしたのは誰だ?

1.船場吉兆の料理使い回しについて、今頃誰がちくったのか、何の報道もない。新聞もTVもニュースソース?を明かさず、料理長の言を掲載している。 2.ミャンマーのサイクロンの被害者がドンドン報道では増えている。1万人から2万へ、そして10万人へ。そ…