松浦弥太郎

松浦弥太郎くちぶえサンドイッチ」集英社文庫発刊を機に、ブログ上に記載が増えいている。松浦さんの本領はアメリカの本屋の匂いを書けることで、この本でもサンフランシスコの古本屋の記述が一番光っている。昔雑誌「文芸」に連載していたアメリカの古本屋めぐりで出会った店主たちのプロフィールは面白かった記憶がある。今の日本でもそうだが、古本屋をやろうという気概のある人は皆それなりの人物なのだ。(岡崎武志「女子の古本屋」を見たまえ。それぞれが志があるだろう。)松浦さんが自動車に古本を積んで売って歩いたなんて話を読むと、それを支えた多くの読者とともに一つの精神世界が出現する。忍ばずストーリーとの一箱古本市なんてものもそうだ。みえないところで都市の精神のネットワークが、人々の繋がりを構築する。一冊の本、一枚のCDのために、人は何百キロも旅するものだ。