2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

鶴見和子と美智子妃

「鶴見和子を語る」(藤原書店)に美智子妃が生前鶴見和子がある国際会議で慰安婦について発言したことを評価していたことが弟の俊輔によって語られている。和子の生前に、何度か単独で美智子妃と語り合ったことがあるらしい。宇治の老人ホームにも訪問したが…

小田実が間違ったこと

NHKで昨年12月に放送された小田実晩年のドキュメンタリーの再放送を昨晩やっていた。「何でもみてやろう」は田舎の高校生に、自由に世界へ羽立つことが可能であることを教えてくれた。外国人なんてまったっく身近にいない北陸の高校生が、東大とハーバード…

栗原裕一郎「<盗作>の文学史」

庄司薫の項で、サリンジャーのまねではないか、とい出だしたのはだれか、という説明で、東京新聞の記事があげられている。だが、確か最初にサリンジャーとの類似を指摘したのは毎日新聞の文藝時評担当の江藤淳だった、というのが小生の記憶であるが・・・思…

杉本秀太郎と井沢義雄

杉本秀太郎「火用心」(編集工房ノア)の「富士の裾野」より。 「井沢義雄という人と知り合って程なく、訪ねてきたこの人と洋間でしばし対座してのち、繁華な街巷に同行することになって家の前を離れたとき、七、八歳年長、播州の産、東大仏文卒、神戸大学のフ…

イスラムのエロス

偶像崇拝禁止でビデオや映像を抑圧するのはわからぬでもない。女性の「顔」を隠し、エロスを抑圧するのも個人の心の安定や社会的な関係づくりから必要だ、というのも想像できる範囲である。 そういうイスラム原理主義的世界があるからこそ女性のエロスに「偶…

心的現象論本論の刊行

雑誌「試行」に連載されていた時、いったいどこへ向かうのか、見通しが悪くてよくわからなかったが、こうして一本となっても全体として何を目指しているのか、私にははっきりしない本である。早くしかるべき人が書評をしてもらいたいが、「言語にとって美と…

富士さんとわたし

山田稔著だが、池袋ジュンク堂で品切れ、Liblosでは検索にもひっかっかってこない。アマゾンでもこの本は検索に出てこない。編集工房ノアは東京では遠い出版社か。Liblosでようやく田川建三「マルコ福音書注解」が並んだが、先に出たパウロ書簡…

芥川賞選考委員

「石原が芥川賞の選考委員になったのは、95年の114回からだ。同時期に、池澤夏樹と宮本も就任している。その時からの受賞者は、川上弘美、柳美里、辻仁成と来る。辻の受賞については、創価学会員の選考委員が土下座して頼んだという説もある。」 「創価学会…

グリーンスパンと論理実証主義

日本経済新聞に連載されたグリーンスパンの自伝に、「当時私は、ある考え方に惹かれていた。経験論の極端な形の一つで、論理実証主義と呼ばれていた。要は、事象を直接観察できなければ、それは存在しない。概念的な土台がないという考え方だ。」(1月8日)え…

高山博「世界史」

NHKの高校講座「世界史」で十字軍の説明を高山博東大教授がやっていた。わずか30分の番組であるが、TVの強みを利用して画像でうまく説明。高山の専門であるシチリア王国がもつ歴史的意味がよくわかった。それにしても今時の大学生だってこれくらい高度…

大丈夫か池袋LIBLOS

■池袋LIBLOS3階はジュンク堂とは異なった社会科学系の本をうまく集めているが、いつも客がいないので行き先が心配だ。キリスト教の棚をみたら出たばかりの田川建三著「マルコ伝」も在庫なし。ジュンク堂で新刊にならんでいない人文社会学系の本もよく…

もっと、狐の書評

筑摩文庫7月新刊、山村修著。まったくの新刊かとおもって読み始めたら、昔読んだ書評が並んでいるので、びっくり。過去の洋泉社版からの抜粋と、若干の追加書評数本の構成であることがわかってがっくり。未収録リストをのせるくらいなら最初からそれで文庫本…

西部邁さん変ですよ

フジテレビで西部さんがコンビニの夜間営業禁止を訴えている。人間の生き方として夜生活しているのはおかしい、ということらしい。学生時代に大石泰彦教授が揶揄していたのを授業で聞いたことがある、もともと経済学者としての素養はあやしいので、あまり経…

ブラジル産鶏肉

小学校の給食の材料として、国産と偽りブラジル産の鶏肉を納入した肉屋が話題になっている。TVのワイドショーで食品アドバイザーとかいう人物が、学校が国産と指定したのは安全の為でしょう、と平気でコメントしていた。ふざけるな。どこにブラジル産がま…

レナード・バーンスタイン メモリアルBOX

ドリームライフのDVD廉価版7枚組を買った。70年代の精悍なバーンスタインは本当に素晴らしい。この後巨匠然としてくるその前のバリバリの時代の映像。画像の質も音の質も悪いものが多いがそれでも記録としての価値は十分。それにしても映像の監督というの…

戸川昌士「古本パンチ」

井上章一の朝日新聞夕刊の紹介で知った本。関西の本とLPの探求者であるが、深いところと浅いところの温度差が激しいが、こんな世界を書ける人も少ない。もっと風俗関係の記録を東西問わず残してもらいたい。HuslerやPlayboyの昔の比較を書く…

NHKドラマ「監査法人」第4回

このドラマの素人っぽいつくりは各方面で指摘されているが、今回のもおかしなところ多かったな。財政監督庁の検査局長が銀行の入検の時に頭取に会いにいくわけないだろう。財政監督庁の「査察」というTV報道や、銀行側の「財政監督庁のガサ入れだ!」とい…

日経ヴェリタスの低レベル

体調不良のため、中断していたが再開。 この日経金融新聞の新バージョンは当初からこんなの誰が読むのか、という話が周囲にあったが、その産経新聞夕刊版とあわせた中身の薄さと程度の悪さに、その先行きが決まったようなものだ。6月8日付けの損保の前期総合…

黒田寛一とこぶし書房

池袋リブロにて「黒田寛一没後2周年」で、こぶし書房のフェアをやっている。しかし今時こんな図書館で死蔵されているような売れない本を出し続けるなんて奇跡に近い。近所の図書館にもこの書店の本が入っていたりするので、それなりに売れているのか。反スタ…