心的現象論本論の刊行

 雑誌「試行」に連載されていた時、いったいどこへ向かうのか、見通しが悪くてよくわからなかったが、こうして一本となっても全体として何を目指しているのか、私にははっきりしない本である。早くしかるべき人が書評をしてもらいたいが、「言語にとって美とは何か」と同様トンデモ本かもしれない。先学の引用を個別に行い、それについて論評していく部分はなるほどそうか、とも思えるが、そこから連れて行かれるところが、よくわからず、困惑してしまう。単に小生の頭がわるいだけなのかもしれないが、何人の読者がこの本を読了するのだろうか。