日銀総裁が分析哲学を語る時

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碧海純一先生追悼シンポジウムの御案内

戦後日本の法哲学の発展に貢献された碧海純一氏(東京大学名誉教授)が
本年7月18日に逝去されました(享年89歳)。同氏を追悼すべく、
その業績を回顧し再考するシンポジウムを下記の通り開催します
シンポジウム内容および話者(敬称略):
第1部:碧海先生の学問と思想
  長尾龍一東京大学名誉教授)・嶋津格千葉大学教授)
井上達夫東京大学教授)
第2部:碧海先生の思い出
  樋口陽一東京大学名誉教授)・太田知行(東北大学名誉教授)
・濱井修(東京大学名誉教授)・山田卓生(横浜国立大学名誉教授)
・松村良之(北海道大学名誉教授)ほか

 本日17:30から1部2部休憩無く、3時間近く。参加者は老人を中心に
80名程度か。
第1部では、弟子筋の3名による碧海法哲学の評価が語られたが、
それぞれがカール・ポパー論理実証主義に魅入られた法哲学
どこかに無理があることを示唆していた。最後に長尾氏の
否定的な見方に井上氏が絡んでいたのがおもしろかった。
 第2部では前案内ではあえてマスコミ対策のために登壇者として名前を挙げなかった
(司会の井上氏による)日銀総裁黒田東彦氏が登場。黒田氏は駒場時代に分析哲学研究会
を立ち上げ、本郷では碧海氏のゼミに参加しており、自宅へ遊びに行ってゲームを
していたそうである。後に黒田氏は清水幾太郎が編集した「現代思想・批判的合理主義」
(1978)というポパーの論文集で、「弁証法とは何か」という論文を訳しており、
その時の経験から翻訳というのは日本語として通じるようにするのが難しく、
碧海氏がいっていたようにわかりやすく相手に伝えるということが重要であるとうことが
わかったと語っていた。