読む人間

読む人間(大江健三郎)読書講義2007年7月初版。2006年後半に池袋ジュンク堂での7回の講演とサイード「晩年のスタイル」のついての講演。
そういえばジュンク堂の講演はすぐ予約満員になっていた。大江さんのは小説よりもこういう本についての講演の方がおもしろい。
「私は自分の書庫の本と自分が血管でつながっているという感じを持って生きてきたけれど」ぜひ、大江さんの書庫も撮影してもらいたいものだ。
また、ジュンク堂が催した養老、大江健三郎上野千鶴子らがセレクトした書籍を並べた「○○○書店」での棚の写真はないのかしら。篠山紀信でなくてもいいから撮影しておいてほしい。
 ところで、あとがき(「私は「読む人間」として生きた。」)にマサオ・ミヨシの著書に以下が引用されている。
「だが困難なのは、どんなに努力しても、日本に居る人たちと対話を維持することはできないということです。これは実際深刻な問題です。長い間、僕は大江さんとは対話を維持していると考えていました。だが、今やそれは僕の誤りではなかったかと感じ初めています。彼は会話したりはしない。彼は話が好きだし、非常に上手です。しかし他人の話には耳を傾けないんではないでしょうか。自分では聞いていると思っているかもしれませんが。」
 一体、大江=ミヨシ間で何があったか・・・