アメリカの半分はニューヨークの場所を知らない

町田智浩さんの評判の本。文藝春秋社ペーパーバックというのも珍しいと思うが、週間現代に連載された別の記事が「キャプテンアメリカは何故死んだか」(太田出版)が出版されており、講談社の編集者がマヌケで講談社から出なかったことがあとがきに出ている。おい、週間現代しっかりしろ。
ところで、前々から著者のアメリカの草の根情報に感心しているのであるが、日本でアメリカ政治とか経済を論じている連中は、ワシントン、ニューヨークや大学町のエリートを相手にしている本当のアメリカの「大衆」がどんなものかわからずに上澄みだけで論じている印象をもっているが、町田さんのこの本はそのギャップを埋めるものだ。同盟国ならその国の実態をしっかりして理解してからにしてくれ、といいたくなるような話題満載である。日本のマスコミも日本のこともまともに報じないが、ましてやアメリカの本当の姿を伝える努力もしない中で、貴重な情報であり、お勧め本である。

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 昨日の日本経済新聞の読書欄の「活字の海で」文化部の記者の署名記事で猫猫先生に言及あり。(小説家・東浩起が小説、表現の可能性を見出す)日経の新聞小説猫猫先生私小説が連載されるようになれば、日本も多少なりとも変わるかも。
「目を広げれば、小説を書く評論家は東に限らない。最近では例えば比較文学者の小谷野敦も文芸誌「文学界」などで私小説風の作品を旺盛に発表している。綿密な論理構成や鋭い視点が持ち味の書き手の登場で小説の世界が活性化しそうだ。」