「諸君!」最終号

 さすが最終号は力が入っていそうであり、常連の寄稿者の皆様のご意見もまとめて読めそうなので、池袋ジュンク堂で買ってきた。店頭にあるのでは最後の一冊であった。
 巻頭の「紳士と淑女」の匿名氏が私が想像していた人とは違っていたので、がっくり。老人が珍妙なことを言っているな、と思うことも時々あったが、教えられることも多かったので、この横丁の老人の床屋政談を聞けなくなるのは残念。その他の寄稿者の面々はそれぞれ予想どおりの「商業的」コメントばかり。保守とは営業なり、というのも、情けない。竹内洋さんの連載は完成させてぜひ出版してもらいたい。
 バカ左翼が死滅したのであるから、バカ保守も死滅するのは必然なのに、むしろバカ右翼のほうへシフトしていった。文化は伝統であるのだから、そっちの方面をさらに強化して頑張る雑誌に方針転換すべきであったのに、バカさ加減を次第に増加させて自滅してしまった。
 保守がバカでは世の中全体がバカがかってくるのは、当たり前だ。