加藤周一新刊

加藤周一が書いた加藤周一」が平凡社から出版され、帯には「もうひとつの「羊の歌」」と
あったので、ひょっとすると「羊の歌その後」のその後の原稿があったのか、と思って
期待したら、過去の本の前書きとあとがき集であった。
 また、9月12日の朝日新聞夕刊社会面に「鴎外・茂吉・杢太郎」の原稿が出てきたと
あったが、前書きだけで、しかも未完に終わった原稿らしい。
 ところでやはり医者である岡井隆が昨年に「鴎外・茂吉・杢太郎ー「テエベス百門」の夕映え」と
いう500ページの大著を出しているが、同じタイトルで同じテーマというのはいかがなものかと思うが、
どちらが早かったのだろうか。95年にNHK人間大学の放送で、「鴎外・茂吉・杢太郎」のテーマで
加藤さんが担当しているようであるから、こちらの方が先だろう。 
 出版前に岡井さんが加藤さんに一言かけているかもしれないが。
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 1972年生まれの互盛央さんという東大博士がソシュールについての博士論文を作品社から出版された
ようであるが、この方は出版社に勤めておられるようだ。
東大学術博士でも大学の先生になるのは難しい世の中なのか。
 こんな学術書の書評が、東京新聞中日新聞のような地方紙(渡辺哲夫)に出る日本というのも
不思議な国だ。