著者が語るということ

今図書館で今月号の中央公論をみてきた。茂木健一郎池田大作の往復書簡なるものが
あって、いつの間に「潮」になったのか、と間違ったくらいであるが、茂木先生も抜け目
なく新たな読者層に向かってマーケティングをおやりになって、感心したが、話はその
ことではなくて、小さな広告が出ていた今道友信氏の講義の音声のネット販売である。
4時間で3000円くらいであって、以下のサイトから視聴もできる。今道さんは小生の学生
時代に文学部長で、大学の百周年とかで寄付金を集めるとかで、左翼の学生に
立て看板でいつもいじめられていたことしか印象がない。パリだかの哲学の
団体の偉い方になっておられたりしているが、日本語の著作があまりないので、そのイメージとの
落差に戸惑う方である。海のかなたの専門家には評価が高いのかもしれないが、この
お試し音声を聞いていると、なんだか街の寺の坊主の説教とどう違うのか、わかりやすいのは
いいのだが、そんなことをわざわざ古典をダシにして、人生訓みたいに説かれても困る。
 そういえば新聞の全面広告で五木寛之の講演が何枚もCDで出たり、吉本隆明のCDの
塊が出たりしているが、この二人は語ることに対してその影響についてもっと自覚的なので
あるが、今道先生は自らの語りで真実が聴衆に届くと思っておられるのであろうか。
http://www.chuko.co.jp/imamichi/news.html#c71097