ハーバード白熱教室

 ハーバード大学の講義というのは放送で出たことがないらしい。何かの記念講演かは
本で出ていたと思うので、実際にカメラを入れて流したのがはじめてということだろう。
学生時代に不思議に思ったのは、そんなに国民的人気がある大学の授業であれば、NHK教育なんかで
なぜ実況放送をしないのだろう、という疑問だった。もっとも国民的人気があるというのは
世間が実態を知らないから、デモシカ教授が漫然と講義をやっているのがばれてしまうので、
大学側が嫌がったというのが実態だろう。
 法学部の学生はよく講義を録音して回していたが、それだけ価値があるということだったのだと
思う。録音されることに対して政治学京極純一教授などは嫌がり、著作権を主張していた。狭い
教室にギュウギュウずめにしておいてなんだ、と当時は思ったものだ。およそ客であるはずの学生の
ことなんぞ考えていない連中が多かった。こんな程度のことを大学の権威とやらでやられていると
いうことも世間は知らなかったが、その後の大学騒動とか、実態をばらす人が出てきて、ようやく
そのレベルが少しずつ世の中にも知られるようになってきた。
 放送大学ができ、実際の講義が「可視化」されるとさすがにでたらめの授業をするわけにもいかない
ということがよくわかるし、最初から丁寧につくられた授業のほうが効率が良い面もある。
 東京大学なんぞは世界的レベルとかいっているのだから、主要授業はすべてネットで流すべきである。
東大チャンネルもあることだし。