AMPOシンポ

東大安田講堂へ18:00
安田講堂の中へ入ったのはこれがはじめて。あれほど衝突が起こった場所であるから
何だか怨霊がこもっているような場所の印象であったが、それなりに落ち着いた雰囲気。
一回は予約席で前の方が選挙されているので、2階の最前列へ。1000名入るそうだが、
9割近い入りか。上野先生も

最初はAMPOの予告版を15分。安保だけでなく日米間の戦争体験まで含めた芸術表現
についての作品と作者との証言を編集したもの。最初のニューヨークをゼロ戦が空襲して
火の海にしている油絵に驚いた。2001年以前の作品である。作者の「アメリカが好きか、
ときかれ、回答するのは、ヒリヒリした経験で、フランスについては、単なる好き嫌いと
思うが」という意味のことを言っていた。音楽もあっている。

なぜ、これまでの作品で当事者にインタビューをしなかったのだ、と上野先生が
小熊先生を問い詰めたが、先日の「文学界」での高橋源一郎への回答と同じ。沖縄返還
過程を研究した時に昔いっていたこと(沖縄独立論」と異なる主張をその後していながら
戦後ずっとそうだといいはっているような玲があり、記憶よりその時の資料に頼った方が信用
できるんだと。
 上野先生は権力者にインタビューをしている御厨貴のオーラルヒストリーを
「困ったことだ」といいながら、保阪氏になぜ岸信介にインタビューしなかったのか、
と問うたが、「どうせ本当のことはいわない」というのが回答で、保阪氏もオーラル
ヒストリには否定的ということだった。
 小熊先生が、今回の普天間騒動で沖縄の抑止力についての説明がアメリカ側から
何もなかったが、こんな対等関係なんかあるのか、と怒っていたが、上野先生から
「属国です」と一言。
 最後の方で、司会者の特権と称して保阪氏の著書から岸首相が自衛隊の出動を
防衛庁長官にもとめたのに拒否されたことについて引用し、この時出動していたら
自衛隊が首相の私兵になって今のような自衛隊ではないだろう、と肯定的に
上野先生がいっていたが、この時自衛隊が活躍していたらそれこそ今のような
中途半端な自衛隊はその後存続できなかったのではないだろうか。
 外人が聴衆に多いのはさすが東大かと思うが、米国大使館からも当然ながら
スパイに来ていたんだろうな。
 最後は樺美智子さんに黙祷をして終わった。