凡庸なるティーレマン

クリスティアン・チィーレマンという人のCDを今までまともに
聞いたことはなかったが、NHKの今晩の芸術劇場ではじめて
ウィーンフィルを指揮したのを聞いた。はっきりいって
失望。ベートーヴェン第五をこれほど凡庸に演奏する人も
めずらしい。指揮ぶりは冬の草原をいくそり曳きのよう。
何も目新しいところがない。ウィーンフィルがかわいそう。
演奏後、叫んでいた馬鹿がいた。
 次の曲は田園であるが、最初のところを聞いて寝ることにした。

ネット上でこの類の演奏はどう評価されているか、調べてみたら
以下の評があった。
http://blog.livedoor.jp/theclassic/
「前囘書いたティーレマンベートーヴェンでは、その後、今年3月
ウィーンで行はれた《第6》《第5》のプログラムも買つた。これも又、
驚く程素晴しい。《第6》の音のイメージは、冒頭からフルトヴェン
グラーそのものである。深い呼吸、温い音色、しかし、歌はせる優美な
フレージング、これはフルトヴェングラーのより濃厚だが、リズムの
推進力が勝る行き方と違ふ。歌ふ息の長さ、その美しさは格別である。
壯絶な4樂章の嵐の後、5樂章の法悦はどうだらう。溢れ、溢れる喜びの
祈りの深さに、私は言葉もなかつた。《第5》は來日公演で聽いたばかり
だが、かうしてレコードで聽くと、やはり卓越してゐると思はざるを得
ない。力みのない1樂章、あゝこれもフルトヴェングラーのウィーン
フィルとの54年の《第5》の音のイメージに近い。」
 フルトヴェングラーが化けて出るぞ!!
 お年を召した方のようであるが、いろいろな人が世の中にはいるものだ。