擬科学ラスムッセン

http://www.aec.go.jp/jicst/NC/about/ugoki/geppou/V21/N05/197612V21N05.html
ラスムッセンというMITの教授による原発の安全性の評価
理科系の人には時々とんでもない論を立てる人がいて、またそれを支持する少なからずの人々が
いる。

〔問12〕博士の報告にあるフォールト・ツリーという手法の中で扱っている確率が、過小であるという
批判のあることが、我が国で紹介されている。この過小に見ている確率を、もっと大きく評価すると、
原子力も一般災害と同じようになるということが言われているようである。

 これについて、その後どのような論議が行われたか、また、その件について博士がどのように
お考えなのか、お聴かせ願いたい。

〔答12〕一部の反対論者は、我々の採った確率の数字は小さ過ぎると言うわけであるが、しかし、
そう言いながら、彼らは反対の根拠を提示していない。我々は、例えば燃料溶融の確率を2万分
の1としたが、200原子炉・年の4)間でこのような事故が無かったという、我々の実際の経験から
すれば、この確率は200分の1となる。

注4)1原子炉・年(Reactor・Year)とは、1基の原子炉が1年間運転された場合で、200原子炉・年は、
例えば、50基が4年間運転された場合。

2万分の1と200分の1とでは、2桁の差があるが、実際には、そのような差はありそうには思われない。
いま、ずれを修正しようということで、カープを2桁上にずらしたとしても、他のものによって起こ
されるリスクと比べると、なお2桁の差で、原子力発電のリスクの方が小さいというわけである。
例え、そのような修正を行ったとしても、原子力発電のリスクが、他のものよりは小さいのだという
結論には、何ら変化は無い。

〔問13〕この検討をされる際およびその研究の過程において、ポラリス潜水艦でこれまで蓄積されてきた、
1,000原子炉・年の実績を、炉心溶融を考える際のデータとして使用したのか。

〔答13〕今指摘されたように、海軍の潜水艦によって蓄積された、原子炉・年は、1,000原子炉・年を
はるかに越えるものであり、その間、1件も炉心溶融は起っていない。この経験から確率を考えるならば、
1,000分の1の確率となるわけで、これを考えに入れると、我々の結論は、これと10倍も違わない、という
事になると思う。