トゥールーズ連続殺人事件

トゥールーズ青年はアルカーイダか?
 日本のTVは一応報道しているが、見ていても何が起こったのか、
よくわからないだろう。アメリカでよくあるような狂人の銃乱射
事件なのか、イスラムテロリストによる襲撃なのか、そもそも何故
フランスの地方都市でそんなことが起こるのか、説明もないし、
今後もないだろう。サルコジの演説も流しているので、政府に
とって重大事であることは確かそうだとわかるが。
 一方フランス国内はメディアに国民が釘付けである。21日水曜日の
夜8時のアンテンヌ2のニュースは30分の時間を倍にしてこの事件
のみ報じていたが、この段階では前職が「交渉人」である人物が
どのように犯人と交渉するのか、長々と説明していた。
2010年にアフガンへ行き、カンダハルで検問に引っかかりアメリカの
手でフランスへ強制送還されている。2011年にはパキスタンへも
行っている。アメリカ国内では航空機搭乗を拒否するリストに名前
が記載されていたというが、どういう基準で運用され、その基準は
公表されているのだろうか。お前は危険人物だから搭乗を拒否する
などとなかなかいえないだろうから、2010年の強制送還の際に
アメリカは背後を徹底的に調べたのだろうか。。2010年の情報が
フランス政府へ渡り、危険人物であることは承知していたようだ。
アルカイーダが背後にいる、とフランス政府がいっているのも
その時の調査結果ではないかもっとも彼らが言いわけするように、
以下に盗聴の得意なフランス政府でも一匹オオカミが突然暴れ出すのを
事前に察知するのは限度がある。本人が殺されてしまった以上、
フランス政府が過去の調査結果を全部公表しない限りどこまで
この青年が「アルカーイダ」に関与していたかは闇の中である
はずだが、とにかく「アルカーイダ」の連呼である。犯人は殺人の
様子を胸のカメラで撮影しており、ネット上でそれを流すつもり
だったと政府が発表している。
 ちょうどフランス大統領選を前にしての国民の注目を集めた事件で
あるために、選挙戦に利用しようと、政府の対応の悪さを攻撃する
移民排撃のFNのマリ・ル・ペンはもちろんだが、ホランド
ルコジのこれまでの移民排除政策の攻撃に利用し始めている。

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http://www.paris-normandie.fr/article/rouen/affaire-mohamed-merah-lhallucinante-minute-de-silence-dune-professeure-rouennaise
ルアンのリセ・フローベールの英語の授業で、51歳の女性教師がアメリカの
インデアンについて語っていた中で、トゥールーズの殺人犯が射殺された
事件について論評し、子供のときの育成暦が悪いことを指摘し、アルカイダ
とのつながりについては政府の誘導だ、と発言。よせばいいのにその後で
1分間の黙祷を行った。さすがはフランスで、15名くらいは抗議の退室を
行い、残った生徒も教師に論争を仕掛けて抗議した。さらに教室の前に
それまでの経緯を記載して壁に張り出した。
(ネットで上記にアクセスしていただければ最後に手書きの写真が載っています。)
 さて、日本で似たような、たとえば君が代強制とかのケースがある場合に
今の生徒はどうするのだろうか。