クライバー1987

カルロス・クライバー 1987年 ポンペイ

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スガ秀実「反原発の思想史」(筑摩選書)P216
 出てくる情報としては面白いのであるが、最後までなにやら場末の
左翼史観がならんだ一書と言わざるを得ないのである。
なかで、
 「鶴見俊輔は盟友の政治学者・藤田省三とともに、1960年の
安保闘争岸信介政権を打倒するために、東海道本線「こだま」転覆を
画策し、その実行を新左翼政治党派革共同の指導者・黒田寛一に依頼
した。(黒田は拒否)。このことは鶴見自身が口をつぐんでいるにしても
歴史的事実であり、そのことについての資料・文献も多く存在している。
(拙著「吉本隆明の時代」参照)。」

 なかなか聞き捨てならぬ記述であるが、鶴見・藤田ご両名という
ことであれば、はてなと思わざるを得ないのである。

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 蒸し暑い中、久しぶりに神保町へ。
小谷野敦文学賞の光と影」、東京堂では見当たらぬ、岩波ブックセンター
では平積みで1冊のみ在庫あり、売れ行きがよさそう。