中村元 原稿喪失事件

中村元の20年かけ執筆していた『佛教語大辞典』が完成間近になったとき、
原稿3万枚が、出版社へ渡したあと、引越しの過程で紛失したことが
あったが、その後8年かけて書き直し、出版にこぎつけた。

中村元文化勲章をもらっているが、次のような思想の持主だった。
「元来、仏教の思想というのは、インドから見ますとアナーキズムですね。
つまり仏教は、国王というものの権威を認めないんですよ。ひでりとか、
火事とか、洪水とか、いろいろな災難が仏典で挙げてあって、最後に国王
の難、盗賊の難と出てくるんです。国王と盗賊とどこが違うか、違いはない。
「人民というのは気の毒なものだ。昼は国王の官吏が荒らし、夜は盗賊が
荒らす」というんですね。これはわれわれの生活から見ても、まんざら
思いあたらないでもない。」
水上勉との対話『濁世(じょくせ)の仏教』(立風書房

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http://www.lemonde.fr/idees/article/2012/10/18/le-nucleaire-une-energie-sure_1767295_3232.html
原発の方がここ50年でみれば、化石燃料より人的損害が少ないという議論。
フランスの原発は、チェルノブイリとも福島とも技術的に異なるという議論。
こうした原発推進派の議論はフランスではまだ有効のようである。