日本の寺がやらないこと

日比谷公園での派遣切り労働者のテント村をマスコミがしきりに取り上げている。今日池袋駅へいってみたらやはり日中からかなりの数のホームレスが通路に寝ていた。駅員は立ち退きさせようとしていたが、この寒空にいくところなんぞあるまい。ところで日本の寺が救貧の慈善活動をしたという話をとんと聞かない。もっとも日本のキリスト教会にしても何をしているのか、よくわからない。創価学会だって、定額給付金のバラマキだけではあるまいに。日本の「宗教」団体はかくも怪しい人たちなのである。魂の救済以前に、目の前で死にそうな人も救えないなんて。
坂本哲志総務大臣政務官は5日、総務省の仕事始め式で、仕事や住居を失った労働者らが宿泊していた日比谷公園(東京都千代田区)の「年越し派遣村」について、「本当にまじめに働こうとしている人たちが集まっているのかという気もした」と述べた。失業者を支援する市民団体などの反発を招きそうだ。 同政務官派遣村の活動について、「40年前の学生紛争の時に『学内を開放しろ』『学長出てこい』(などと学生らが要求した)、そういう戦略のようなものが垣間見える気がした」とも述べた。
 確かに「反貧困」運動の人たちは、ここ数日の間に、みごとに「運動」をおこなっている。湯浅誠という人は思ったより創造的な人だ。日本の中枢に失業者やホームレスをどんどん集めてしまうなんて。

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江戸幻想批判」の増補版を見る。できれば増補部分だけを新著に入れてもらいたかった。田中優子との対談は田中が警戒心から腰が引けていて笑える。田中の経歴に紫綬褒章受賞とあるのも笑える。あとがきも猫猫先生らしい。佐伯順子「美少年尽くし」(平凡社)が1992年に出たとき、「比較文学研究」にこの本の書評を出したのが小堀先生で、その理由を読んで笑ってしまった。