村上春樹エルサレムにて

 2月の斎藤美奈子朝日新聞文芸時評に、村上春樹エルサレム賞受賞の批判が出ていた。卵を割るくらいのパーフォーマンス
くらいやったらどうだ、作家だから無理か、と揶揄している。
 むやみやたらと講演の内容に感動している人が多いのが、作家がこんなことをいっていいのかいな、という部分もあるし、
招待旅行自体が昔の共産国政府による招待旅行と変わらないだろうに、わざわざ現実を見にきた、と大見得を切るのも
どうかと思う。
http://blog.tatsuru.com/2009/02/18_1832.php
村上春樹が語っているのは、「正しさ」についてではなく、人間を蝕む「本態的な弱さ」についてである。
それは政治学の用語や哲学の用語では語ることができない。「物語」だけが、それをかろうじて語ることができる。
弱さは文学だけが扱うことのできる特権的な主題である。」
 内田樹さんは時々妙なことをいうひとではあるが。こういうのは確かに大学教員的であるね。

 蓮実重彦ではないが、賞をくれるというならもらっておけば良い、くらいのことなのに、受賞スピーチで比喩を持ち出して、
何やら人生論や文明論みたいなことを言い出すからおかしなことになる。私の今の興味は、賞金の100万ドルを春樹さんはどう
するのかしら、ということにある。
 ノーベル賞にしても賞金のゆくえについてあまりマスコミは報道しないが、額が大きいとそのままもらっておくというわけにも
いかず、何とか財団へ寄付するとか、何とか賞をつくるとか、せざるをえないのだろうな。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 先週27日午後、麻生首相が国会の予算委員会民主党の議員から「一国のトップリーダーが新聞を読まないと公言するような
ことがあってもいいのか」と攻撃されたらしい。
首相は「見出しを眺めるくらいのことはするが、自分のことが書いてあっても大体違うので、あまり読まない。」と答弁。
 今回は麻生首相にも一理あり。新聞の間違いの多さもその通り。
 小生も新聞の購読をやめたのは前にも書いたとおり。読むべき記事も少ないので、見出しをみればわかるような内容で
あることも確か。