レヴィ・ストロース報道

日本の新聞各紙は社会面にチョロ記事が出て、そのあと「識者」のコメントを載せているだけだったが、
さすがLe Mondeは5日付けで一面ほぼ全面プラス4面を使い、でかでかと肖像写真を載せて報道している。
ニューヨークタイムズも最近は広告ばかりの紙面づくりで読むのも疲れるが、今回は丸一面を使い、
その思想の意義を報道している。
それに比べて日本の「識者」のコメントや寄稿はお寒い限り。朝日の橋爪大三郎の談は「親族の基本構造」を
私訳した人のものだけあってまだしもであったが、読売の中沢新一、日経の港千尋のものはそれぞれ有名人に
会って感動しましたという程度のもので、これでは故人も「やっぱり理解されないのだなあ」とでもいって
黄泉の国から化けて出てきそうな感じ。朝日はこれではまずいと思ったのか、7日土曜日に文化部の追い記事
「レビストロース氏何者だったか」をのせているが、川田順造談はともかく、上野千鶴子やまたまた中沢新一
コメントを載せている。中沢に至っては「ゲーテに連なる賢者の系列」だといい、「むしろ、まだきちんと
読まれていない思想家だとみる」らしい。きちんと読んでないのは誰なのか。レヴィ・ストロースのエッセイの
部分だけまねているのが中沢だと思えるのだが。
 そのうち雑誌でも特集がはじまるだろうが、やたらと祭り上げていないで、ちゃんとした本当の専門家の
意見・評価がほしい。(でも日本にはいなかったりして・・・)

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7日土曜日鹿島茂先生講演会(池袋コミュニティカレッジ
〜1968年 吉本隆明について〜
やっぱり今回の新書は途中で終っていたことがわかった。ぜひ、続編をお願いします。
フランス現代思想なるものが「あまりの難しさに胃がいたくなった」とおっしゃって
いましたが、こういう率直さが鹿島さんの持ち味。

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上の講演会も池袋リブロの改装記念なのだが、複雑な気分。
たしかに以前は地下1階と2階の新刊コーナーがダブっていたり、本を並べるスペースの余裕がありすぎたり
したのだが、明らかに人文社会のジャンルの在庫が減った。新刊コーナーもそれなりに分かっている人が
選書していたのであるが、なんだか、おとなしくなったような気がする。ジュンク堂だけでは、足りない
部分を補っていたのだが、惜しい。やっぱりターミナルの書店にそのようなものを期待するのが無理か。

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猫猫先生のことかと思ったら野球選手のことだった。
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/mental_care/?1257757777

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鳩山総理の献金問題なんて、単に事務がうまくできないボケ老人がやっていたからそうなっただけだよ。
鳩山にそんな端金は問題でない。六本木の六幸商会に何年も出入りしていたが、そんなややこしい業務
をやれるだけの人なんて昔からいなかったよ。自民党はもうちょっとまともなことを追及したらどうだ。