文学者と近代経済学

 マルクス主義が本当に経済学であったのかは怪しいが、少なくとも戦後文学者はこれを
ベースに世の中の経済システムを理解していた者が多い。ところが、東側経済が滅茶苦茶に
なり、近代経済学が興隆してきても近代経済学的な視点を取り入れた文学者はいないのでは
ないか。柄谷行人あたりがいまだにマルクスしか論じないのが典型的。文学批評が衰退したのは
こういう世界認識のための分析道具をまともに理解できなかったことにもあるのではないか。
 消費資本主義の下で生きる者の表層的現象を描くことはできるが、結局世界を理解するという
かつてマルクス主義がその役を担い、先鋭的な文学者もそれにのっかって文学行為を行って
いたというような状況が消滅してしまった。
 そもそも近代経済学のみならず、社会科学一般が文学に与える影響の低下が著しい。文学者が
社会科学に興味を示さないということと、社会科学一般の水準低下がこういう事態を招いたと
思う。

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事業仕分け天皇制廃止」
 こういう世代がどんどん出てくると天皇制存続もつらいな。
http://b.hatena.ne.jp/entry/twitter.com/sasaboushi/status/5705355799