狩野亨吉の蔵書

松岡正剛 千夜千冊
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya1229.html
青江舜二郎
狩野亨吉の生涯

「狩野の蔵書が10万冊ほどあったということは、冒頭に書いた。
まさに万巻の書を収蔵したようだが、中心は古書だった。それでは、
その10万冊はどうなったのかというと、市井に埋もれて鑑定などに
耽っていたのでは、とうてい家計はままならない。そこで、やむなく
大半の蔵書を手放すことにしてしまったのだ。
 買い手は東北大学図書館で、これは中学以来の親友だった
沢柳政太郎が初代の総長になっていたからだった。算定価格は
10万円。業者に譲れば20万円を下らないと言われていたのに、
狩野はこれを3万円でいいと言って、渡してしまった。これがいま
なお東北大学にのこる「狩野文庫」だ。残念ながら、ぼくはまだ
訪れたことがない。」

 漱石の蔵書といい東北大学はちゃんと文化的事業をやっている。
蔵書目録はあるのだろうか。