REIMSはランス

フランスのカテドラルを代表しているパリから1時間半の距離にある
REIMSを正しく表記していない訳書に時々出会う。字面だけをみて
発音表記をしてしまうのだが、このシャンパンでも有名な都市の
名は「ランス」ではないだろうか。
 例えば、ジュリア・クリステヴァ「斬首の光景」(みすず書房)の
P57に「ランの『聖なる顔』が最近私の人生に回帰した。」とあり、
そのページの下部の訳注に「*パリの北東に位置する都市。中世の
大聖堂で知られる。」とあるが、これはREIMSのことであろう。
 巻末の固有名詞引引きには5ページに渡り「ラン」がこの訳書で
登場することになっているが、ここでもやはり「ラン」は
「パリの北東に位置する町。中世の大聖堂で知られる。」と
説明されている。
ランスの大聖堂には確かに「聖なる顔」があるらしい。
http://www.independent.co.uk/news/uk/home-news/british-museum-hopes-to-clean-up-with-the-holy-towel-of-jesus-2263665.html

Such objects can have bizarre and often uproven links to Christ.
Reims Cathedral once claimed to be in possession of the direct
imprint of Christ's buttocks on a stone, and offered visitors
the chance to kiss it.
 訳者は本の後の訳者略歴によると、星埜守之氏(白百合女子大教授)と
塚本昌則氏(東大大学院助教授)のお二人で、それぞれ分担された部分で
同じ表記となっているので、ご両人とも同じご認識なのではと思うが、
「ラン」はREIMSではないのだろうか。 
 それとも、この訳書以外にフランス製の中世・バロック音楽のCDの解説にも
この「ラン」という表記を見かけたことがあるが、こういう発音もあるのだろうか。