宇沢弘文死去

宇沢弘文死去86歳
 ノーベル経済学賞候補だったというが、どういう業績が対象なのか、
よくわからない。少なくとも岩波から出ている著作集を読んでも
誰もその理由が理解できないだろう。数理経済学的な貢献とかが
評価しにくいが、論文を読んでみてそれで経済現象の見方が
変わるということがあるのだろうか。
 大学の授業は学生の理解度をまったく無視したもので、ひたすら
黒板に高等数学の数式を書いていたのしか、記憶にない。数理経済学者の
バカさ加減をみさせていただく機会をいただいてありがとうとでも
いいたかった。ご本人もこんな数式で表現していても現実の経済は
わからないと反省されたのか、人生の後期ではあまりにもわかりやすい
「経済学」になってしまい、かつての弟子であった秀才経済学者たちから
みればどうして転向したのだろうという印象があっただろう。
宇沢弘文の前期と後期という見方は小島氏が書いているように一般的に
なっているようである。ノーベル賞候補といわれていたのはあくまでも
前期まで。
http://d.hatena.ne.jp/hiroyukikojima/20140928/1411891840
 後期は社会的共通資本とかいっていたが、エコとコミューン運動の
蒸し返しにしか思えず、何も経済学的に目新しいものはなかった。
http://www.youtube.com/watch?v=XqOKulQ8SCo
 ひょっとすると生涯の最大の業績は成田問題の解決へ貢献したこと
かもしれない。そうすると社会的共通資本論も知行一致ということか。