「レンコン」

性の文化史は、テーマは学問としてやろうとしても、素材が乏しく実証しにくいため、なかなか難しい。
井上章一ならばの追及であるが、参加した若手学者への周囲の眼は温かいものではないようだ。
まえがきに「学会のキャリアアップには、必ずしもつながらない。どちらかというと、否定的に作用する。
(つどってくれた若い世代が)そんな研究会へ心をよせてくれたことに、ただただ頭がさがるのみである。」とある。
 第一巻では三橋順子「女装男娼のテクニックとセクシュアリティ」がすごい。頭でっかちの論者とはことなり、
性別越境者の実践者らしい。
 「「私の体験でも、現代において当時と似たような状況にあると推測される西アジア系の出稼ぎ外国人男性の場合は、
驚くほど交接時間が短かった。」「それだけ留意しても、直腸粘膜へのダメージは避けられず、私の体験でも、一晩に
三人が限界だった。」
 著者は多摩大学非常勤講師。早稲田大学ジェンダー研究所客員研究員。いいぞ、早稲田大学