2009-01-01から1年間の記事一覧

加藤周一新刊

「加藤周一が書いた加藤周一」が平凡社から出版され、帯には「もうひとつの「羊の歌」」と あったので、ひょっとすると「羊の歌その後」のその後の原稿があったのか、と思って 期待したら、過去の本の前書きとあとがき集であった。 また、9月12日の朝日新聞…

ブレンデル最後のコンサート録音

ブレンデルの引退コンサートが録音されていたようだ。最近はモーツアルトも昔の切実さが なくなっておもしろくなくなっていたが、これはどうだろう。 http://www.hmv.co.jp/news/article/909110039/ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…

ミスキャスト

NHKの知る楽しみという短い番組をテーマで何回か毎週放送するものがあって、時々紹介者と 彼が取り上げるテーマにとんでもないミスキャストがあってほとんど笑い話なのだが、再放送とかで 今やっている森有正を語る「セカチュー」小説家というのもかなり…

インフルエンザの影響は

メアリ・マッカシーの両親が共にインフルエンザでなくなり、その後養育された家庭で つらい目にあったということを初めてしったのは、この河出書房の文学全集の「アメリカの鳥」見返しに 書いてある彼女の紹介であって、インフルエンザに触れるのは昨今の社…

鴎外全集15000円也

正午田村店頭。100円均一の箱の中を漁っている外国人がいる。フランス語のLivre de Pocheを2冊 買っていたところを見るとフランス人か。前にも神保町を歩く外国人のことを書いたがついに田村 店頭均一を漁る外国人も出現。「コミガレ」をのぞくと岩波の鴎外…

平川先生、小堀先生を論じる

鴎外81号07年7月「日本足の学者」森鴎外を論ずるにはいかなる視野が大切かhttp://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/searchdiary?word=%b2%aa%b3%b0 この雑誌のこの号にどのようなことが書いてあるのか、知りたい方も多いかと思うので、以下に抜粋を。 平川氏と小…

問題のある相談所

この弁護士の検事時代の過去の悪行については、以前にも書いたことがあるが、消費者庁の監視機関の庁なんてほとんど笑い話。本人自身が欠陥商品でないか。住田裕子弁護士>消費者委員会の委員辞退「一身上の都合」 9月1日5時0分配信 毎日新聞 内閣府は31日…

タカ派マドンナ

国際関係論東大法学博士で、こういう人がいるのを知らなかった。 小泉政権下の「安全保障と防衛力に関する懇談会メンバー」のひとり、 他の爺様連中のなかで紅一点、がんばっておられるようで。この懇談会という のはこのメンバーであればこの結論が出る、と…

業者としての大学産業

日本中にわけのわからない新設の大学が税金で乱立された理由がよくわかる。そして、こういう「大学」で 教員をやっている「知識人」が、左翼にならないのもよくわかる。以下産経新聞の記事「文部科学省から過去5年間に天下った幹部職員OB162人のうち、…

自民党の選挙ビラ

貧すれば鈍するというか、自民党が配っているピンクのちらしが共産党のチラシと似てきた。 チラシの表のタイトルが「知ってドッキリ、民主党これば本性だ!!」 「民主党には秘密の計画がある!民主党にだまされるな」 そして中身はなんなのかというと 1.…

女性を口説く加藤周一

懇意の女性が目の前で加藤周一に口説かれて激怒した人というのはだれだろう。 ここまで新聞に書くのであれば、もっと想像できるような書き方もあるかと 思うが、朝日の記者も気が利かない。 http://www.kamogawa.co.jp/moku/syoseki/0292/0292_syohyo_200908…

新政権下での日本経済

竹中平蔵が10月に保険会社のセミナーの講師をやるのだが、そのタイトルに驚いた。 「新政権下での日本経済」 自民党はこれをみて、文句をいわないのかしら。まだ、選挙は今週末だよ。http://www.tokiorisk.co.jp/seminar/management20091007.html

甘えの構造

毎日新聞の日曜書評(この人・この3冊)で青木保が土井健郎の「甘えの構造」ほか3冊を褒めている。 文化庁長官たるものが、既にこの論の怪しいことが広く知れ渡っているのに、それには触れずしかるべき評価を与えないというのは青少年のためにもいかがなも…

ラトルのブラームス

サイモン・ラトルとベルリン・フィルのブラームス交響曲4曲。日本版はCDのみならず、DVDを付けて6,000円。このDVD版で見た印象をいえば、ラトルの指揮はなんとなくフルトベングラーを意識したような感じであるが、出てくる音はそれほどどっしりしたものでな…

穂積生萩「折口信夫」虚像と実像

こういう本は教えてもらわないとまず読むことはないので、少しでもご紹介すべく、図書館で 借りてきた。(勉誠社、平成8年)この本は文庫化されないだろうから、以下に。 三島由紀夫賞をとり、最近筑摩から文庫本可された松浦寿輝「折口信夫論」が何箇所か話…

本の間の私信

古書を買って、私信がはさんであるときに、どのような持ち主がどのような人生を 送っていたのかわかって思わぬ 「コミガレ」の美学洋書の一斉放出の元に持ち主は、東京芸大教授のJ氏であることが わかったが、そのJ氏に元東大英文科教授の美学が専門のA氏か…

この人も新型インフルの犠牲者

河出書房の世界文学全集でメアリー・マッカシーの巻が出たので、手にとってみたら 1918年のインフルエンザ大流行で両親を失い、その後不幸な環境で育ったことが 書いてあった。日本語のウィキには記載がないが、 英語版ウィキ McCarthy was orphaned at the a…

都留重人と竹中平蔵

都留重人の晩年に朝日新聞のインタビューにこたえて、今大臣をやっている竹中平蔵君も孫弟子である、 ということを肯定的な意味で語っていて驚いたことがある。都留重人と同様に竹中平蔵という人も 経済学者としてのまともな業績あんの?東京12ちゃんねる…

美学関係一斉放出

正午「コミガレ」。お盆休みで田村書店なんぞは1週間休んでおるのに、こちらはガレージセール 継続中。本日、外に大量に並んでいるのは美学関係の学者さんの蔵書で、かなり古いもので、 しかも痛みが激しい。書き込みはともかくカビ対策等はちゃんとやっても…

ハイテク産業都市加賀市

森善朗元総理の石川2区は小松市と加賀市であるが、加賀市に「ハイテク」産業を誘致しているのをご存知ですか。 Buffalo に対抗している日の丸バソコン周辺機器企業であるIOデータの本社も加賀市ですし、幾つかのアダルトAVの企業の本社も加賀市です。 たとえ…

加藤周一自選集発刊

池袋ジュンク堂で岩波書店から出る加藤周一自選集10巻のパンフレットをもらう。9月17日第一回発売。編者は鷲巣力氏。これが出るということは本当の全集は出ないということだろう。逆にこれによって自選の対象とならなかった文章群が気になる。誰かそれをテー…

神保町ワンダーランド

そう、神保町の交差点から淡路町方面へ3軒か、4軒いったところの2回にこの名前そのものの古本屋はあった。そんなに広くない店内にどちらかというと今風に言えば、サブカルとか、幻想文学とか、アメリカ文学関係の洋書とそれほど多くない和書がおいてあっ…

復初の集い

8月15日は丸山真男の命日であるが、この日に毎年日々谷高校の星陵会館で、丸山をしのぶ人々が集まる会がある。小生はこの日は休暇を取って、午前中は靖国神社へお参りをしてからこの会に出席することにしていたので あるが、最近は公演者の魅力がもう一つで…

神保町を行く外国人

昔に比べると神保町を歩く外国人が多くなっているような気がする。レトロな東京として観光に来ているようなものもいるが、大胆にも店内に入って棚を眺めて本を探しているのも少なからずいる。 先週の読売新聞にハーバード大学で日本文学を研究しているアメリ…

教室へ

パリから帰ってくる時にエールフランスの機内で暇つぶしに見た映画に心底驚いた。日本公開時のタイトルは 「ザ・クラス」、原題はEntre les murs。カンヌ映画祭りで2008年に最高賞をとっている。(フランス映画が Palm d'or を取ったのは21年ぶりらしい) パリ…

悲しいぞ宇沢弘文

NHKマネー資本主義最終回を見ながら書いているのだが。 3人の賢人ということで宇沢弘文とハーバードの先生となんとかう人工知能の研究者が紹介されていた。 わが宇沢弘文は、「悪魔のような金融工学」とかいって「幸せを数字で示せない」といっている数理経…

現代思想増刊「加藤周一」

久しぶりにフランスへ行って帰ってきたら現代思想7月臨時増刊号総特集「加藤周一」が出ていた。表紙は加藤氏が精悍な時の写真で、お別れの会のときの晩年のものより良い。まだ全部読んでいないが、次のような文が記憶に残る。 まず、海老坂武「私の中の加藤…

川勝平太の世俗的勝利

「川勝平太(かわかつへいた、1948年 - )は京都出身の歴史学者。専門は比較経済史。早稲田大学助手、講師、助教授、教授を経て国際日本文化研究センター教授。新しい歴史教科書をつくる会賛同者。独自の「海洋史観」を展開することで有名。現在は「英国議会…

Bernard Pivotのために

Bernard Pivot 1935年リヨン生まれ、フィガロ紙の記者等をつとめたあと、1975年創刊の読書人向け雑誌 「Lire」の創刊に携わっており、これを気にテレビでも活躍することになった。 その後、以下のテレビでの書評番組をやっている。大体金曜日の夜に放送…

上野千鶴子「非モテ」のミソジニー

紀伊国屋書店のPR雑誌「スクリプタ」はそのたたずまいやPR雑誌らしからぬところを好ましく 思っているのだが、その夏号で上野千鶴子先生が「性的弱者」について論じておられる。 「非モテ系」という語が頻出し、参考文献に[帰ってきたもてない男]も挙げ…